抜けない話
※この記事には下品な話題が含まれています。あらかじめご注意ください。#Me Tooとか言われても困ります。
SYUKATU。
一般に就職活動の略として知られているそれは、人生の夏休みとも揶揄される大学生活の最後に待ち受けている地獄であり、モラトリアムから我々を引きずりだしてくる悪魔のようなイベントである。
僕も多くの就活生の例に漏れず、数え切れないほど御社にご挨拶をし、そしてまた数多のお祈りメールを頂戴しているわけだが、そのようなストレスフルな生活をしているとどこかしら身体への悪影響も出てくるものである。
痛い。
歯が痛いのだ。
歯並びこそ悪いものの、昔から虫歯はあまりなく口内環境は歯医者さまからも褒めていただくほどだった。しかし今、猛烈に歯が痛い。
とは言っても虫歯ではない。この年代になると誰もが通るであろう親不知が痛いのである。そもそも親不知とはどうして生えてくるのだろう。というかそもそもその名称はなんだ。まるで僕が親不孝者みたいじゃないか。
こういう疑問を抱いたときに助かるのはウィキペディアである。ソースが不明で情報の正確性には欠ける面があるが、僕のくだらないブログごときのソースには十分すぎる。
親知らず・親不知(おやしらず)とは、ヒトの歯の一種。「智歯」「知恵歯」「第3大臼歯」、歯科用語では「8番」(前から8番目の歯)とも呼ばれる。おおむね10代後半から20代前半に生えてくる。全ての人が4本生えてくるわけではなく、上下左右の4本が揃わない場合もあるほか、おおむね4人に1人の割合で全く生えてこない人もいる。
なるほど、僕は今21歳なのでしっかりとあてはまっている。裏返せば人間のレールを外れることなく成長しているともいえる。しかも他の3/4の人々と同じように、親不知が生えるというマジョリティに所属していることにもなる。多数派に所属しているということはそれだけで何となく安心する。
乳児の歯の生え始めとは違い、親がこの歯の生え始めを知ることはない。そのため親知らずという名が付いた。
よかった。僕は親不孝者なんかじゃなかった。しかも歯が痛み出してすぐに母親に報告しているんだから、この場合の僕の歯は「親知っている」とかそういう名前になるのかもしれない。
現代の人間(特にアジア、欧米、ヨーロッパ系の人種など)は顎が小さく、親知らずが生えるための十分なスペースがないことが多い。このため、横向きに生えたり傾いて生えてきたりする場合がある。このような場合は歯ブラシが入りにくく、虫歯や歯肉炎になりやすい。最悪の場合、親知らずから入り込んだ菌が心臓付近まで到達し、死亡することがある。
ちょっと待ってくれ。急に物騒じゃないか。死亡することがあるだなんて聞いてないぞ。確かに健康は口からとかよく聞くけれど、まさか死ぬようなことだとは思わないじゃないか。これじゃあ「親知らないほうがよかった」とか「親悲しむ」とかそんな名前にすべきかもしれない。
それとなんだ人間(特にアジア、欧米、ヨーロッパ系の人種)って。それってほぼ全部の人間じゃないのか。アフリカ系かイヌイットとかの少数民族だけなんじゃないのか親不知が生えないのは。そしてその場合は「親知る由もなし」とかいう風に呼ばれるんだろうか。
親知らずが問題を起こしている場合は、抜歯を勧められる。年齢が上がると顎骨と歯根が癒着してくることがある。このようになると抜歯が困難になるので、若いうちの抜歯が勧められる。抜歯の難度は上顎より下顎が難しく(顎部の神経が近いため)、まっすぐ生えているものより横向きに生えているものの方が難しい。最も困難なのは下顎で横向きに生えている歯。この場合は歯茎を切開したのち顎骨を少し削り、表面に出ている歯を割って取り出したのち埋まっている歯を抜き取る。費用は3割負担で5000〜6000円程度。一般歯科では抜歯が難しく、総合病院の口腔外科の受診を勧められることが多い。また、下顎部に歯全体が隙間なく埋没しているケースも難易度が高いとされる。
さあいよいよおっかなくなってきた。私の場合、下顎両サイドの親不知はまさに横向きに生えてしまっている。そしてその場合は上に書いてある通り時には全身麻酔を使用した大掛かりな手術が必要になったりするらしい。私はいま21歳。来年から(地獄を乗り越えられれば)就職するわけで、全身麻酔の手術となれば大学生のうちにやっておかなくてはいけないかもしれない。
手術なんて今までしたことがないのだけど、しかし下顎の、しかも横向きに生えている歯はなかなか抜けないということは歯医者さんにも言われた。悩ましい問題なのです。
そして痛いのは歯だけではない。
ここから先は少し汚い話になるので、お食事中の方やそういった話に耐性がないピュアな方は注意をしていただきたい。
何が痛いのか。
おちんちんが痛いのである。
言ってしまった。齢22にもなろうという男が、おちんちんが痛い。情けない。あまりに情けない字面である。
しかし聞いてほしい。
おちんちんというのは世の殿方にとって、非常にナイーブな器官なのだ。
歯が痛いのとはわけが違う。そこが痛むというだけで、とても心配だし不安になるのだ。
しかも恐ろしいのは、この痛みの原因に全く心当たりがないことである。
普通痛みというのは何かしらの原因があるものである。
例えば歯が痛いのは親不知が変に生えてきているから。
指が痛いのはこのブログを必死に書いているから。
頭が痛いのは歯とおちんちんの痛みに悩んでいるから。
そして心が痛いのはこのように不特定多数の人が読んでいるであろうところに、
おちんちんなどという低俗で下品でダーティな言葉を使っているからに他ならない。
しかしではどうしておちんちんが痛いのかというと、まったく分からないのである。
これを読んでいる中にはおちんちんなどというものについての知識をあまり持ち合わせていない淑女の皆々様もいるであろうことは想像に難くない。
あるいはおちんちんについてとてもよく知っているけど、純粋無垢なふりをしたいという方もおられよう。
だからここはひとつ、まずおちんちんとはどのようなものか確認しておきたい。
おちんちんはよくソーセージに例えられる。一口にソーセージとは言っても、人によってポークビッツのようであったり、はたまたバーのつまみで出てきそうなフランクフルトソーセージであったりと多種多様だ。
そして、おちんちんの横には二つのミートボールがあると思ってほしい。
だいたいこの三つの軽食でおちんちんは構成されていると思っていただいて差し支えない。
そして僕が痛みを覚えているのはあなたからみて左側の、すなわち僕の右側のミートボールである。ここがじんわりと痛い。
怖くなっていろいろ調べてみたのだが、どうやら睾丸捻転という状態になると痛みが起こるらしい。
先ほどミートボールが痛いという例えを出したが、正確にはこのミートボールの中には液体の入った袋が入っている。いうなればチーズインミートボールである。
そしてこの睾丸捻転とはチーズがミートボールの中で捻じれている状態らしい。
そもそもチーズインミートボールは中でチーズがどろどろに溶けているものだろうとは思うので、それが捻じれているとはいかような状態なのか想像しにくいがあくまで例えだと思ってほしい。
いずれにしても紳士の方々ならお分かりいただけるだろうが、読んでいるだけでぞわっとするような症状であることは間違いがない。なんとも悩ましいのです。
と、ここまで読んでタイトルを見直してほしい。どうだろうお気づきいただけただろうか。これが僕の最大の悩みなのであり、ダブルミーニングになっているのだ!!HAHAHA!!
歯が抜けないという話と、そしておちんちんが……。
この辺にしておこう。
本当に最低なタイトルと内容である。
この悩みが解消しない限り、僕に平穏は訪れない、まったく気の抜けない悩みだ。
これでトリプルミーニング。
下ネタの数々は許していただきたい。
ごめんなさい、おしまい。