ハタチになったってよっていう話

20歳になりました。

やっと。と言っていいのか、ようやく。と言っていいのか。

あるいはまだ。と言うべきなのか分かりませんが。

とにかく20歳です。

 

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20歳になったとは言っても特に変化があったわけでは全然なくて、むしろ世の中20歳以上の人たちが圧倒的に多いわけで、

「20歳?あっそ。歳を食うならバカでもできる」

とでも言うように、

明日もタモリは100人に1人に該当するアンケートを聞き(終わったのか)

小堺一機はゲストにサイコロを振らせ(これも終わったんだっけ)

日本の人口は減り続け

日曜が終われば月曜が来るし

僕の朝の弱さは改善されないまま

特に変化もなく20歳になっています。

案外あっさりです、20歳。

 

 

水曜日に『走れ、絶望に追いつかれない速さで』という映画を観てきました。

「絶望に追いつかれないように、走ればいいってことかな」という言葉を残した友達の死から立ち直れない主人公が、不器用に乗り越えていく姿を、優しく温かく見つめた映画です。

上映後に監督と、プロデューサーと、主演と、全然関係ない俳優の4人によるトークイベントがありました。(太賀くんと村上虹郎くんに握手してもらった話はTwitterで散々騒いだのでやめておきます笑)

この映画、渋谷のユーロスペースっていう劇場でしか公開されていなくて、最近マイナー系の邦画を結構観てるんですが、どれも地方ではかかってないことが多い。

トークイベントの中で中川龍太郎監督も仰っていて、「東京と地方では文化的格差が広がっている」という言葉が印象に残っています。

東京でしかかかってない外国の映画が多いのはもちろんのこと、日本の映画なのに日本の地方では観られない映画がすごく多い。

少女漫画原作の大作映画とか、金かけて作ったしょぼいCGの映画よりも、面白いマイナーな映画は実は多いのに、地方では観られない。

『走れ、絶望に追いつかれない速さで』も、僕の地元北海道では絶対観られなかった作品だと思います。

札幌にはミニシアター系の劇場もあるけれど、高校時代を過ごした旭川では限られたメジャー作品しかやってないし、僕の地元にはそもそも映画館がない。

集客とか興行収益とか考えると仕方のない部分は大きいとは思うけれど、すごく寂しい。

「文化的な格差」って言葉が、地方では日本の映画さえ味わえないのが、すごく悔しい。

 

 

昔からちょっとませてた(あるいは生意気だった)僕は、中学生くらいから自分はもうオトナだよなーなんて思ってました。

年齢的にはいわゆる成人、晴れてオトナになった今、自分はまだまだ子供だなあと思うことが多くなってきました。

年齢的にはまだコドモの頃に自分はオトナだと思い

年齢的にオトナになってみると自分はコドモだと実感するんですから不思議なもんです。

20歳になってみて思ったことが、そして後悔していることがあります。

1ヶ月くらい前、これまたマイナーな『ディストラクション・ベイビーズ』という邦画を観に行きました。(柳楽優弥くんとか菅田将暉くんとか小松菜奈ちゃんとか出てるやつです)

かなりガツンとくる映画だったんですが、観終わったあと前を歩いていた20代後半くらいのスーツのお兄さん二人が言っていた言葉が今でも忘れられません。

「これ、ハタチになる前に観てたらもっと違ったんだろうな〜」

あ、20歳になるってそういうもんなんすか。

20歳になる前と後で、きっと価値観って全然変わるんだろうなって、思いました。

だから、今日を迎える前までに、もっと色んな映画を観て、本を読んで、音楽を聴いて、歳食ってからもっかい観返せるようにしておくべきだったなって、すごく思います。

 

 

でもそういう意味で、『走れ、絶望に追いつかれない速さで』はぎりぎりハタチになる前に観ておけて良かったなとも思います。

そして、ハタチになる前の人が、地方でも東京でも、もっともっと良い映画を観られるようになれば良いなと思います。

 

 

色んな話をしてとっ散らかりましたが、20歳になっても相変わらず、やって行きたいなって思った話です。

絶望に追いつかれないような速さでは走れそうもないですが、

絶望も知らないような道をゆっくり歩けりゃいいかななんて

ちょっとかっこいいことを言いたくなった20歳の誕生日でしたとさ。

 

 

おしまい。